私の息子は自閉症、知的障がい、そして天使

ガイジン家族、障がい者家族、普通の生活

偏食の王様 2

偏食の王様1の続きです。

さてさて、偏食の王様となった息子、炭水化物しか食べないような状態でした。

 

それが小学2年生の夏休みを機に食べられるものが増えていったのです。

なにがあったのか。。。

 

私は息子が小さなときから褒めて育ててきました。

アメリカの幼稚園でABA療法を受けていたとき、なにかできたときにご褒美をあげてその行動を定着させていく、ということで息子の好きなものは何かときかれました。

 

誉め言葉とハグです。

 

他の子はクッキーだとか、チョコレートだとかいうなか、うちの子は形のないものを言うからちょっと困らせた記憶があります。

 

とにかく、それくらいに人に褒められることが大好きな息子。

小学2年生のとき、通所していた放課後等デイサービスで職員さんたちにとてもかわいがってもらっていました。

通常は平日学校が終わった後、健常な子が児童センターに行くように、障がいのある息子は放課後等デイサービス(放デイ)を利用していました。

夏休みなどの長期休みは朝9時から午後4時まで預かってくれるので、お弁当を持って通っていました。

 

当時の息子のお弁当は、甘い卵焼き、ヒレカツ、白いごはん、あとは飾りつけのようにきんぴらごぼうや豆腐ハンバーグなどを入れるのですが、食べるのは卵焼きとカツとご飯だけでした。

そこで、放デイの職員さんたちがいろいろ考えてくださり、息子の偏食を少しでもよくしようと取り組んでくれました。

 

息子がお弁当を食べることをほめちぎってくれたのです。

たとえば、きんぴらを一口でも口に入れたら、

「わあ、かっこいい!ユウくん、めっちゃかっこいい。」

「ほんとだあ。すごいじゃん!」

若い女性にほめられると息子もうれしくなって、口にいれたものをゴックン。

「わあ、すてき!もっと食べれる?」

 

こんなにほめられちゃうと、息子はもう木のてっぺんまで登る勢いです。

きんぴらを食べ終えると、次は豆腐ハンバーグ。

また若い女性に囲まれてキャーキャーいわれ、褒めちぎられたら息子の木登りはとまりません。

 

こうして、毎日褒めちぎられているうち、持ってきたお弁当は残さず食べれるようになりました。

夏休みを終え、小学2年2学期から、学校でも給食は褒められる時間になりました。

 

大きなきっかけは、こんなふうに息子が最も欲しがるもので釣ったことでした。

 

とはいえ、まだまだ偏食には君臨しており、王様の座からはおりたものの、好き嫌いはたくさんありました。

特に外面のいい息子は外ではがんばって食べても、うちでは好きなものしか食べない姿勢は崩しません。

ある意味、内と外を使い分けていました。

 

我が家の夕飯の食卓は、私たち3人のものと、息子の食事はまったく同じではありませんでした。

必ず一品は息子の食べられるものを追加していました。

 

それが、3年前、中学に入学するのを機に息子は偏食から脱却したのです。

 

その続きは偏食の王様3に書きますので、しばしお待ちくださいませ。